第7回 西国三十三観音巡り 第十四番三井寺

      西国三十三観音巡り 第十四番 長等山 園城寺 三井寺   


       
三井寺は7世紀に大友氏 (古代)の氏寺として草創され、9世紀に唐から帰国した
留学僧円珍天台寺門宗宗祖)によって再興された。平安時代以降、皇室、貴族、
武家などの広い信仰を集め栄えたが、10世紀頃から比叡山延暦寺との対立抗争が
激化、比叡山の宗徒により三井寺が焼き討ちされる事が度々あった。
近世には豊臣秀吉により寺領を没収されて廃寺同然となったこともあるが、こう
した歴史上の苦難を乗り越えその都度再興されてきたことから、三井寺は「不死
鳥の寺」と称されている。


  
  大門・仁王門 ( 重要文化財 )。
室町時代の宝徳四年(1452年)の建立。三井寺中院の表門で、東面して建ち、
両脇の仁王像が山内を守護しています。記録によると、天台宗の古刹常楽寺
(甲賀郡石部町)の門で、後に秀吉によって伏見に移され、慶長六年(1601)
家康によって現在地に建てられたとしています。 

        
   
入山参拝券購入所。              仁王門前の園城寺石標。


   
   釈迦堂。


      
      釈迦如来


 
 金堂 ( 重要文化財 ) へ。


     
     手水舎。


  
  三井の晩鐘。

  


   


     


    
閼伽井屋 ( 重要文化財 )
金堂の西に接して建つ小堂で、慶長5年(1600)、金堂と同じく北政所によって
建立された。堂内には三井寺の名の起こりとなった霊泉が湧出している。


      
      左甚五郎の龍
 三井寺の名称が生まれた霊泉閼伽井屋の正面に、左甚五郎作と伝えられる
龍の彫刻がある。昔この龍が夜な夜な琵琶湖に出て暴れたため、困った甚五郎が
自ら龍の目玉に5寸釘を打ち込み静めたと伝えられている。今もこの龍は、静かに
閼伽井屋の正面で三井寺を見守っています。


  
  弁慶鐘。


    
    梵鐘(弁慶引摺鐘)( 重要文化財
伝承では、俵藤太こと藤原秀郷がムカデ退治のお礼に琵琶湖の竜神から授かった
鐘だと言われ、その後比叡山三井寺の争いに際して、弁慶が奪って比叡山
引き摺り上げたが、鐘が「イノー」(「帰りたいよう」の意)と鳴ったので、
弁慶が怒って谷底へ捨てたという。現状、鐘の表面に見られる擦り傷やひびは
その時のものと称する。歴史的には、この鐘は文永元年(1264年)の比叡山による
三井寺焼き討ちの際に強奪され、後に返還されたというのが史実のようである。


    
    弁慶の汁鍋
    五右衛門風呂といわれています。


 
 一切経蔵( 重要文化財


        
        八角輪蔵。


        
        三重塔 ( 重要文化財


   


  
  唐院灌頂堂( 重要文化財


 
 智証大師御廟から続く参道両側に唐院探題灯籠が並ぶ。


  
  微妙寺。
三井寺の五別所のひとつで現地に移築したもの。本尊は十一面観音(重文・
平安初期)で、現在は湖国十一面観音霊場の第一番札所となっている。


   
   三井名物 弁慶の力持ち。


  
  毘沙門堂 ( 重要文化財)


  
  十八明神社
当山内の土地、伽藍を守護する神々を祀る。別名「ねずみの宮」という。
太平記」によれば当寺の戒壇道場建立の勅許を得たが比叡山の強訴により
取り消された。これを怒った頼豪阿闍梨が二十一日間の護摩をたき壇上の
煙と果てた。その強念が八万四千匹のねずみとなり比叡山に押し寄せ堂塔や
経巻を食い荒したと伝えられる。現在の建物は天保七年(1836年)に
再建されたものである。


    
    「 西國十四番札所 三井観音堂 」石標。


  
  観音堂への石段を上る。


  
  鐘楼堂。


   
   手水舎。


 
 観音堂


 


  


       


    
 

 本尊御真言・・・・・・・・おん はんどめい しんたまに じんばら うん



札所等・・・西国三十三観音霊場 第十四番札所
名称・・・長等山 園城寺 三井寺 ( ながらさん おんじょうじ みいでら ) 
本尊・・・如意輪観世音菩薩 ( 観音堂 )
宗派・・・天台寺門宗 ( 総本山 )
開基・・・大友与多王
創建・・・天武天皇15 ( 686 ) 年
所在地・・・滋賀県大津市園城町246
  園城寺 散華     TEL・・・077-522-2238


  


    
    納経所。


  
  絵馬堂とその向こうに売店


 
本日は雨天の為視界が悪いのですが琵琶湖がよく見えるそうです。


 
 観月舞台と百体堂
観音堂を出て正面、却下に足代を組んだ懸造(舞台造)の観月舞台がある。
滋賀では近江八景で名高い石山寺の観月台と本舞台が代表格で、往時より
観月の名所として親しまれている。


  
  百体堂。

       


   
百体堂の観音像。                大津絵。
大津絵・・・鬼が僧衣をまとっている絵で、慈悲ある姿とは裏腹な偽善者を諷刺
したもの鬼の住まいは人間の心の内にあるということで、描かれた鬼の角は佛の
教えである三毒(貧欲・瞋恚・愚痴) 人々の我見、我執であると言えます。
人は自分の都合で考え、自分の目でものを見、自分にとって欲しいもの、利用
できるもの、自分により良いものと、限りなく角を生やします。大津絵の鬼は、
それを折る事を教え、鬼からの救いを示唆しているとも言われています。

  
    


    
    総門を右に見ながら・・・・・・・・


    
    放生池に架かる石橋。


  
  1時34分、駐車場へ。